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07 イカロスのしくみを探れ! 小さなモケイをつくってみよう!

2010年(ねん)5月(がつ)21日(にち)、種子島宇宙(たねがしまうちゅう)センターより、金星探査機(きんせいたんさき)「あかつき」とともにソーラー電力(でんりょく)セイル実証機(じっしょうき)「IKAROS(イカロス)」が打ち上げ(うちあげ)られました。おめでとうございます!というわけで、前回(ぜんかい)に引き続き(ひきつづき)イカロスを作(つくっ)ってみました。前回(ぜんかい)(つく)ったものはいくらなんでも大(おお)きすぎるので、今回(こんかい)はもう少し(すこし)小さい(ちいさい)ものを本物(ほんもの)そっくりに作(つく)ってみました。そのモケイを使(つか)ってイカロスのしくみを探り(さぐり)ます。

前回のおさらい

前回(ぜんかい)は、イカロスがどうやって帆(ほ)を開く(ひらく)のかを調べる(しらべる)ために、本物(ほんもの)と同じ(おなじ)大きさ(おおきさ)のモケイを作り(つくり)ました。人(ひと)と比べる(くらべる)とその大きさ(おおきさ)がよく分かり(わかり)ます。とにかく大(おお)きかったので、作(つく)ったり組み立て(くみたて)たり、運ん(はこん)だりするのがとっても大変(たいへん)
今回(こんかい)は本物(ほんもの)の1/32の大きさ(おおきさ)で作り(つくり)ます。小さい(ちいさい)から簡単(かんたん)だろう、と思って(おもって)いたんですが…

材料

本体(ほんたい)は、プラスチックの板(いた)や棒(ぼう)、パイプなどで作り(つくり)ます。これらは、プラモデル屋(や)さんなどで手(て)に入り(はいり)ます。そして、なんと帆(ほ)には特別(とくべつ)に分け(わけ)てもらった本物(ほんもの)と同じ(おなじ)素材(そざい)を使い(つかい)ました。
これがイカロスに使わ(つかわ)れているポリイミドフィルムと呼ば(よば)れるものすごーく薄い(うすい)フィルムです。薄(うす)さは0.0075ミリメートル。かみの毛(け)の1/10の薄(うす)さです。ふわふわと軽く(かるく)て手(て)に持つ(もつ)と破れ(やぶれ)てしまいそうですが、意外(いがい)と丈夫(じょうぶ)。ちょっと引っ張っ(ひっぱっ)たくらいでは破け(やぶけ)ません。
写真(しゃしん)は裏面(うらめん)なので金色(きんいろ)をしていますが、表面(おもてめん)はアルミを吹き付け(ふきつけ)ているのでピカピカの銀色(ぎんいろ)をしています。
このポリイミドフィルムは人工衛星(じんこうえいせい)の内部(ないぶ)を一定(いってい)の温度(おんど)に保つ(たもつ)ためにも使わ(つかわ)れていて、手(て)に乗せ(のせ)ていると体温(たいおん)を外(そと)に逃がさ(にがさ)ないので、手(て)のひらがどんどん温かく(あたたかく)なってきます。こんなに薄い(うすい)のにすごーい!

早速作るよ!

本体(ほんたい)はプラスチックのパイプとプラスチック板(ばん)を組み合わせ(くみあわせ)てつくりました。金色(きんいろ)のところには本物(ほんもの)と同じ(おなじ)ポリイミドフィルムを張り(はり)ます。
細かい(こまかい)パーツは、プラスチック棒(ぼう)を切っ(きっ)て接着剤(せっちゃくざい)で張り合わせ(はりあわせ)て作り(つくり)ます。指(ゆび)の上(うえ)に乗っかる(のっかる)サイズ。ちいさーい!
ポリイミドフィルムを切っ(きっ)て帆(ほ)にします。とにかく薄い(うすい)ので慎重(しんちょう)に…
(かく)パーツを組み立て(くみたて)ます。とっても小さい(ちいさい)のでピンセットを使わ(つかわ)ないと組み立て(くみたて)られません。
完成(かんせい)!やったー!

本物と比べてみよう!


せっかくなので、本物(ほんもの)の写真(しゃしん)と比べ(くらべ)てみましょう。どれくらいうまく出来(でき)てるかな?
本体(ほんたい)の太陽電池(たいようでんち)パネル。イカロス本体(ほんたい)の上面(じょうめん)には太陽電池(たいようでんち)が貼ら(はら)れています。キノコみたいなのはアンテナ、黒い(くろい)ゴマ粒(つぶ)みたいなのは、本体(ほんたい)から飛び出し(とびだし)てイカロス全体(ぜんたい)を撮影(さつえい)するリモートカメラです。

こちらは、帆(ほ)が開く(ひらく)様子(ようす)を撮影(さつえい)するカメラ。4方向(ほうこう)についていて帆(ほ)がちゃんと開い(ひらい)ているかどうかを確かめ(たしかめ)ます。

(した)のほうには、イカロス本体(ほんたい)の向き(むき)を変え(かえ)たり、帆(ほ)を開く(ひらく)ために本体(ほんたい)を回転(かいてん)させるための、スラスターがついています。ここからガスを噴出(ふんしゅつ)します。

これが、イカロスの帆(ほ)。表面(ひょうめん)には太陽電池(たいようでんち)や計測器(けいそくき)などが貼り付け(はりつけ)られています。
どうでしょう?けっこう本物(ほんもの)っぽく出来(でき)たんじゃないでしょうか?

さて、イカロスはどうやって飛んでいるんでしょうか?

イカロスが太陽(たいよう)の周り(まわり)を回(まわ)っているとき、イカロスには3つの力(ちから)が働い(はたらい)ています。

1.太陽(たいよう)がイカロスを引っ張ろ(ひっぱろ)うとする力(ちから)(重力(じゅうりょく)
2.イカロスが太陽(たいよう)から遠ざかろ(とおざかろ)うとする力(ちから)(遠心力(えんしんりょく)
3.イカロスの帆(ほ)が太陽(たいよう)の光(ひかり)を受け(うけ)て出す(だす)(ちから)

イカロスの帆(ほ)が太陽(たいよう)のほうを向い(むい)ているときは、1の力(ちから)と2の力(ちから)+3の力(ちから)がちょうどバランスが取れ(とれ)た状態(じょうたい)になっています。
ここでイカロスの帆(ほ)を傾ける(かたむける)と… 3の太陽(たいよう)の光(ひかり)の力(ちから)が帆(ほ)で反射(はんしゃ)して後ろ(うしろ)に向う(むかう)ので、イカロスのスピードが上がり(あがり)ます。スピードが上がる(あがる)と、外(そと)に向う(むかう)(ちから)の方(ほう)が強く(つよく)なるので、イカロスは太陽(たいよう)から遠ざかっ(とおざかっ)ていきます。
(ぎゃく)に傾ける(かたむける)と... 今度(こんど)は太陽(たいよう)の光(ひかり)の力(ちから)は前向き(まえむき)になるので、イカロスのスピードは下がり(さがり)ます。スピードが下がる(さがる)と、外(そと)に向う(むかう)(ちから)が弱く(よわく)なるので、イカロスは太陽(たいよう)に近づい(ちかづい)ていきます。
このように、太陽(たいよう)に対して(たいして)(ほ)を傾け(かたむけ)てあげることで、太陽(たいよう)の光(ひかり)が生み出す(うみだす)(ちから)の方向(ほうこう)を変える(かえる)ことで、実証機(じっしょうき)の軌道(きどう)を変える(かえる)のです。

ペーパークラフトを作ってみよう

実物大(じつぶつだい)のモケイや、プラスチックの部品(ぶひん)をたくさん使っ(つかっ)た細かい(こまかい)模型(もけい)はなかなか作る(つくる)のが大変(たいへん)なので、ペーパークラフトも用意(ようい)しました。これならはさみとノリがあれば作れ(つくれ)ます。大き(おおき)さはだいたい本物(ほんもの)の1/80ぐらい、人(ひと)のサイズがちょうど2cmぐらいになります。

ボタン:PDFをダウンロードする

まとめ

イカロスの飛ぶ(とぶ)仕組み(しくみ)が分かった(わかった)かな?みんなもペーパークラフトを作って(つくって)遊んで(あそんで)みよう!!

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太陽に近づく場合

「イカロスの飛ぶ(とぶ)しくみ」のところで出(で)てきた、イカロスに働く(はたらく)3つの力(ちから)のうち、2番目(ばんめ)の「太陽(たいよう)から遠ざかろ(とおざかろ)うとする力(ちから)」が少し(すこし)分かり(わかり)にくいかもしれませんね。もう少し(もうすこし)詳しく(くわしく)説明(せつめい)しましょう。
運動場(うんどうじょう)でカーブを走っ(はしっ)ているところを想像(そうぞう)してみてください。走る(はしる)スピードが早く(はやく)なると、カーブを曲がり(まがり)きれずに外側(そとがわ)に飛び出し(とびだし)そうになりますよね、あれが「遠心力(えんしんりょく)」と呼ば(よば)れる力(ちから)です。体(からだ)が外側(そとがわ)に飛び出さ(とびださ)ないようにするには、体(からだ)をカーブの内側(うちがわ)に傾け(かたむけ)て外側(そとがわ)に向う(むかう)(ちから)と内側(うちがわ)に向う(むかう)(ちから)のバランスをとってあげなければなりません。
イカロスは太陽(たいよう)の周り(まわり)を回る(まわる)人工(じんこう)惑星(わくせい)ですが、地球(ちきゅう)の周り(まわり)を回る(まわる)人工(じんこう)衛星(えいせい)も、この外側(そとがわ)に向う(むかう)(ちから)と地球(ちきゅう)が人工(じんこう)衛星(えいせい)を引きつけよ(ひきつけよ)うとする力(ちから)(=重力(じゅうりょく))のバランスを取っ(とっ)て、地球(ちきゅう)の周り(まわり)を円(えん)を描い(えがい)て飛ん(とん)でいます。スピードを上げる(あげる)と遠心(えんしん)(りょく)が強く(つよく)なって外(そと)へ、スピードを下げる(さげる)と遠心(えんしん)(りょく)が弱く(よわく)なって内側(うちがわ)の方(ほう)へ向い(むかい)ます。普通(ふつう)の人工(じんこう)衛星(えいせい)は、このスピードを変える(かえる)のにスラスターと呼ば(よば)れる小型(こがた)のロケットを使い(つかい)ますが、イカロスはスラスターのかわりに太陽(たいよう)の光(ひかり)の力(ちから)を使っ(つかっ)ているというわけです。
スラスターを使う(つかう)とすばやく方向(ほうこう)を変え(かえ)られますが、たくさん燃料(ねんりょう)を持っ(もっ)ていかなければなりません。ソーラーセイルは太陽(たいよう)の光(ひかり)の弱い(よわい)(ちから)を使う(つかう)ので、短い(みじかい)時間(じかん)で大きな(おおきな)(ちから)を出す(だす)のは苦手(にがて)ですが、光(ひかり)を受け(うけ)続ける(つづける)ことでまとまった力(ちから)を出す(だす)ことができます。しかも燃料(ねんりょう)がほとんどいりません(姿勢(しせい)を変える(かえる)のに少し(すこし)は必要(ひつよう)です)。

先生、保護者の方々へ


イカロスはソーラー電力(でんりょく)セイル()の実証機(じっしょうき)です。単に(たんに)太陽(たいよう)の力(ちから)で進む(すすむ)だけでなく、表面(ひょうめん)の薄膜(はくまく)(がた)太陽(たいよう)電池(でんち)で電力(でんりょく)を生み出す(うみだす)仕組み(しくみ)になっています。実証(じっしょう)(き)であるイカロスの帆(ほ)は対角線(たいかくせん)(差し渡し(さしわたし))が20mというサイズですが、将来(しょうらい)(てき)には対角線(たいかくせん)が50mもの巨大(きょだい)な帆(ほ)を持っ(もっ)た探査(たんさ)(き)を木星(もくせい)に送り込む(おくりこむ)計画(けいかく)があります。この巨大(きょだい)な帆(ほ)は「はやぶさ」などに搭載(とうさい)されたイオンエンジンを動かす(うごかす)のに十分(じゅうぶん)な電力(でんりょく)を生み出し(うみだし)ます。このソーラーセイル()とイオンエンジンの組み合わせ(くみあわせ)は、太陽(たいよう)から遠く(とおく)ソーラーセイル()の能力(のうりょく)が弱まる(よわまる)木星(もくせい)付近(ふきん)でもイオンエンジンを使っ(つかっ)て十分(じゅうぶん)な推力(すいりょく)を得る(える)ことができるのです。

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