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特集

<第7話(だいななわ)>探査計画(たんさけいかく)の最初(さいしょ)のハイライト それが「金星周回軌道への投入(きんせいしゅうかいきどうへのとうにゅう)」だ!

一番星を目指せ(第7話タイトル)探査計画の最初のハイライト

―― ところで先生(せんせい)、金星探査機(きんせいたんさき)「あかつき」って、体重何(たいじゅうなん)キロですか?

中村(なかむら) 打ち上げ時(うちあげじ)の質量(しつりょう)は約(やく)500kg(キログラム)ですね。

―― 幕内(まくうち)で最(もっと)も重(おも)いクラスのお相撲(すもう)さん2人分(ふたりぶん)

読み物特集:一番星を目指せ(第7話)フェアリング内での「あかつき」のサイズ

中村(なかむら) お相撲(すもう)にこだわるね(笑(わら)い)。でもこれは決(けっ)して重(おも)いほうじゃないんです。「かぐや」などは、打ち上げ時(うちあげたとき)に約(やく)3トン、「あかつき」の6倍(ばい)もありました。

(わたし)たちの探査機(たんさき)はH-IIA(エイチ・ツー・エー)ロケットでこれまで打ち上げた中(うちあげたなか)で、一番軽(いちばんかる)いお客(きゃく)さんになるんですよ。

―― へえー、そうなんですか。じゃ、ほんとはもっと大(おお)きく作(つく)りたかった?

中村(なかむら) 「あかつき」がH-IIA(エイチ・ツー・エー)ロケットに乗(の)ると決(き)まったときには、探査機(たんさき)の設計(せっけい)が終(お)わった後(あと)だったんですね。探査機(たんさき)の本体(ほんたい)は、火星(かせい)をめざした「のぞみ」や、小惑星(しょうわくせい)イトカワに行(い)ってきた「はやぶさ」の設計(せっけい)を受け継(うけつ)いだ実績(じっせき)のあるもので、後(あと)から大(おお)きくするわけにもいかなかったのでね。

―― やっぱり少(すこ)しでも軽い方(かるいほう)が旅(たび)はラクになる?

中村(なかむら) そうですね。加速(かそく)したりブレーキをかけたりしますから、少(すこ)しでも軽(かる)いほうがいい。H-IIA(エイチ・ツー・エー)に乗(の)って地球(ちきゅう)を飛び出した後(とびだしたあと)は惰性(だせい)で飛(と)んでいくと言(い)いましたよね。実際(じっさい)には太陽(たいよう)の重力(じゅうりょく)に引き寄(ひきよ)せられ、金星(きんせい)に近(ちか)づくにつれ少(すこ)しずつスピードが上(あ)がっていきます。もし何(なに)もしなければ、金星(きんせい)をかすめるだけで、通り過(とおりす)ぎちゃうことになってしまう。

―― ええ、それは困(こま)る!

(第7話)「あかつき」のスラスタ

中村(なかむら) ええ、とっても困(こま)ります。だから金星(きんせい)の近(ちか)くまで来(き)たら、エンジンを後ろ向(うしろむ)きに噴射(ふんしゃ)してブレーキをかけます。金星(きんせい)の重力(じゅうりょく)につかまえてもらい、しかもその回(まわ)りを周回(しゅうかい)するのにちょうどいいスピードにまで、正(ただ)しいタイミングで減速(げんそく)をする…。これはすごく微妙(びみょう)なコントロールが必要(ひつよう)なんです。(ブレーキをかけるためのエンジン。「スラスタ」と呼(よ)ぶ)

―― 走(はし)っている電車(でんしゃ)の屋根(やね)から、脇(わき)を走(はし)る自転車(じてんしゃ)に飛び移(とびうつ)るような難(むずか)しさ? ボクはやったことないけど。

中村(なかむら) 私(わたし)もやったことがないので、分(わ)かりません(笑(わら)い)。でも、打ち上げ時(うちあげじ)の重(おも)さのほとんど半分(はんぶん)を、このときにブレーキをかけるときに使(つか)う燃料(ねんりょう)が占(し)めています。そのくらい重要(じゅうよう)なことなんです。

―― 2人(ふたり)のうち、お相撲(すもう)さん1人分(ひとりぶん)が燃料(ねんりょう)として消(き)えちゃうのかぁ。それは大変(たいへん)だ。

中村(なかむら) 妙(みょう)に納得(なっとく)しているね(笑(わら)い)。そうやって速度(そくど)を落(お)とした「あかつき」は、近(ちか)いところでは300km(キロメートル)、遠(とお)いところだと8万km(まんキロメートル)という細長(ほそなが)い楕円軌道(だえんきどう)を回(まわ)る、金星(きんせい)の人工衛星(じんこうえいせい)となります。じつはこの周回軌道(しゅうかいきどう)も、なかなか凝(こ)ったものなんですよ。

―― 細長(ほそなが)いのがミソなんですか?

中村(なかむら) 思い出(おもいだ)してください。「スーパーローテーション」という、4日周期(かかんしゅうき)で金星(きんせい)をひと回(まわ)りするとても速(はや)い雲(くも)の動(うご)きを調(しら)べることが、「あかつき」の大(おお)きな目的(もくてき)のひとつだったですよね。

―― はい、そうでした。金星(きんせい)そのものの自転(じてん)の何十倍(なんじゅうばい)ものスピードで動(うご)く雲(くも)を、くわしく調(しら)べる仕事(しごと)

(第7話)「あかつき」の軌道イメージ図

中村(なかむら) この細長(ほそなが)い軌道(きどう)を通(とお)ると、金星(きんせい)から離(はな)れたときに「あかつき」は、その雲(くも)の動(うご)きとほぼ同(おな)じ速度(そくど)で周回(しゅうかい)することになるんです。1周約(しゅうやく)30時間(じかん)の細長(ほそなが)い軌道(きどう)をとりますが、このうち約(やく)20時間(じかん)のあいだ、雲(くも)の流(なが)れや渦(うず)の様子(ようす)を、その真上(まうえ)でずっと追(お)いかけて調(しら)べることができるからすごく具合(ぐあい)がいいんですよ。

 ※衛星(えいせい)は近(ちか)くを回(まわ)るときは速(はや)く、遠(とお)いところではゆっくり回(まわ)る。放送衛星(ほうそうえいせい)や気象衛星(きしょうえいせい)は赤道上空約(せきどうじょうくうやく)3万(まん)6000km(キロメートル)もの高(たか)いところを回(まわ)り、ちょうど1日(にち)で地球(ちきゅう)を1周(しゅう)する「静止衛星(せいしえいせい)」となっている。1〜2時間(じかん)で地球(ちきゅう)を1周(しゅう)する国際宇宙(こくさいうちゅう)ステーションや地球観測衛星(ちきゅうかんそくえいせい)の数倍(すうばい)〜数十倍(すうじゅうばい)もの高度(こうど)だ。もちろんそこまで「登(のぼ)る」ためには、低軌道(ていきどう)の衛星(えいせい)となるよりも、はるかに多(おお)くの燃料(ねんりょう)が必要(ひつよう)となる。「あかつき」の細長(ほそなが)い軌道(きどう)なら、軌道投入(きどうとうにゅう)のための燃料(ねんりょう)も少(すく)なくて済(す)み、その分(ぶん)の重量(じゅうりょう)を観測機器(かんそくきき)に回(まわ)せるので一石二鳥(いっせきにちょう)。プロジェクトチームの今村剛(いまむらたけし)さんは「子(こ)どもの頃(ころ)から気象衛星(きしょうえいせい)の雲(くも)の画像(がぞう)を見(み)るのが大好(だいす)きで、いつまで見(み)てても見飽(みあ)きないくらい好(す)きだったんです。金星探査(きんせいたんさ)でもなんとかそれをできないかな…」と考(かんが)え、この軌道(きどう)を思(おも)いついたそうです。

中村(なかむら) いずれにしても、2010年(ねん)12月(がつ)の「金星周回軌道投入(きんせいしゅうかいきどうとうにゅう)」は、探査計画全体(たんさけいかくぜんたい)の重要(じゅうよう)なハイライトになります。ぜひ応援(おうえん)してくださいね。

―― 分(わ)かりました!



“キャプテン・スカイラーク”こと中村正人先生(なかむらまさとせんせい)から、金星(きんせい)のナゾや「あかつき」のひみつについて、くわしく教(おそ)わりました。みなさんも「なるほど!」と思(おも)うことがいくつもあったんじゃないかな?
あるある!
「金星(きんせい)に行(い)ってみたい!」という人(ひと)も出(で)たんじゃないかな?
ええと…、ぼくはちょっと遠慮(えんりょ)しとこうかな…。
ともあれ金星探査機(きんせいたんさき)「あかつき」は、打ち上(うちあ)げに向(む)けて最後(さいご)の準備(じゅんび)が進(すす)んでいます。キャンペーンに応募(おうぼ)してくれたみなさんのお名前(なまえ)やメッセージやイラストや寄せ書(よせが)きも載(の)せて金星(きんせい)に向(む)かいます。「あかつき」の最新(さいしん)ニュースが届(とど)いたら、また節目節目(ふしめふしめ)で中村先生(なかむらせんせい)や乗組員(のりくみいん)のみなさん(観測機器(かんそくきき)や探査機運用(たんさきうんよう)に関(かか)わる人(ひと)たち)に登場(とうじょう)してもらいます。お楽(たの)しみに!

エピローグ(準備中(じゅんびちゅう)
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