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特集

<第6話(だいろくわ)>「地球発(ちきゅうはつ)→金星行(きんせいい)き」 いったい、どんなルートを通(とお)るの?

一番星を目指せ(第6話タイトル)「地球発→金星行き」 いったい、どんなルートを通るの?

―― 惑星探査機(わくせいたんさき)は、出発(しゅっぱつ)のタイミングがすごく重要(じゅうよう)なんですよね?

中村(なかむら) ええ、タイミングは重要(じゅうよう)ですよ。地球(ちきゅう)も金星(きんせい)も太陽(たいよう)の回(まわ)りを回(まわ)っていますが、まず回(まわ)るスピードが違(ちが)いますから、ちょうどいい時期(じき)に打ち上(うちあ)げないと、目的(もくてき)の惑星(わくせい)に追(お)いつけなかったり、追い越(おいこ)しちゃったりしてしまいます。

―― 回(まわ)っているメリーゴーランドで、別(べつ)の馬(うま)に乗り移(のりうつ)るようなもの

中村(なかむら) うーん、似(に)ているかもしれませんが、乗り移(のりうつ)るのは危(あぶ)ないからやらないほうがいいですよ(笑(わら)い)。また金星(きんせい)の場合(ばあい)には、他(ほか)の惑星(わくせい)よりもとりわけタイミングが重要(じゅうよう)な、ある事情(じじょう)がある。金星到着(きんせいとうちゃく)が、6月(がつ)か12月(がつ)になるよう出発時期(しゅっぱつじき)を合(あ)わせないといけないからです。

―― えっ、どうして何月(なんがつ)か、まで決(き)まっているんですか?

中村(なかむら) 専門的(せんもんてき)な言葉(ことば)でいうと「公転軌道面(こうてんきどうめん)が傾(かたむ)いているから」ということになるんですが…。

―― 公転(こうてん)、軌道面(きどうめん)…?

公転軌道面(イメージ) 中村(なかむら) ちょっと難(むずか)しいよね。でも模型(もけい)を思い浮(おもいう)かべると分(わ)かると思(おも)います。地球(ちきゅう)の公転(こうてん)する様子(ようす)を、太陽(たいよう)を中心(ちゅうしん)とした1枚(まい)の円板(えんばん)の上(うえ)に乗(の)って回(まわ)っているようなもの、と考(かんが)えてみてください。金星(きんせい)も同(おな)じように円板(えんばん)に乗(の)せた模型(もけい)を考(かんが)えてみる。

「公転軌道面(こうてんきどうめん)が傾(かたむ)いている」ということは、地球(ちきゅう)の乗(の)っている円板(えんばん)と金星(きんせい)の乗(の)っている円板(えんばん)が、中心(ちゅうしん)はどちらも太陽(たいよう)だけれど、互(たが)いに傾(かたむ)いているということを意味(いみ)するわけです。

―― 地球円板(ちきゅうえんばん)が水平(すいへい)だとすると、金星円板(きんせいえんばん)はナナメになっている、ということ?

中村(なかむら) そうそう。すると、金星円板(きんせいえんばん)の上(うえ)に描(えが)かれた金星(きんせい)の軌道(きどう)が、地球(ちきゅう)の円板(えんばん)と交差(こうさ)するのは…。

―― そうか、2ヵ所(かしょ)だけ!

 ※金星(きんせい)の太陽面通過(たいようめんつうか):2004年(ねん)6月(がつ)に、太陽(たいよう)と金星(きんせい)と地球(ちきゅう)が一直線(いっちょくせん)に並(なら)ぶ「金星(きんせい)の太陽面通過(たいようめんつうか)(Transit of Venus)」というめずらしい天文現象(てんもんげんしょう)が起(お)こりました。次(つぎ)に起(お)きるのはちょうど「あかつき」が観測(かんそく)を行(おこな)っている最中(さいちゅう)の2012年(ねん)6月(がつ)の予定(よてい)ですが、そのまた次(つぎ)となると105年半後(ねんはんご)の2117年(ねん)12月(がつ)まで待(ま)たなければなりません。この現象(げんしょう)が「243年間(ねんかん)に2度(ど)」という長(なが)い周期(しゅうき)を持(も)つのは、「軌道面(きどうめん)の傾(かたむ)き」が理由(りゆう)です。もちろん、起(お)こるのは必(かなら)ず「6月(がつ)」と「12月(がつ)」なんですよ。

中村(なかむら) 正解(せいかい)(笑(わら)い)。その2ヵ所(かしょ)が「6月(がつ)」と「12月(がつ)」の位置(いち)になるんです。地球(ちきゅう)から出発(しゅっぱつ)した探査機(たんさき)は基本的(きほんてき)に地球円板(ちきゅうえんばん)の上(うえ)を旅(たび)するので、金星(きんせい)がちょうどその2ヵ所(かしょ)のどちらかに来(き)たときでないと、出会(であ)えない。

―― なるほどぉ!

中村(なかむら) 私(わたし)たちは「あかつき」を、2010年(ねん)の12月(がつ)に金星(きんせい)に到着(とうちゃく)させる予定(よてい)です。旅(たび)にはおよそ半年(はんとし)かかるので、その年(とし)の5月末(がつまつ)に打ち上(うちあ)げるとちょうどいいわけです。多少(たしょう)の幅(はば)はありますが、到着時期(とうちゃくじき)を逆算(ぎゃくさん)して打ち上(うちあ)げないと、金星(きんせい)にたどり着(つ)けないですからね。

―― そういうことだったんですね。じゃあ金星(きんせい)に向(む)かって飛(と)んでいく半年(はんとし)の間(あいだ)は、ずっとエンジンを動(うご)かしているんですか?

中村(なかむら) そういうわけではないんですよ。地球(ちきゅう)を脱出(だっしゅつ)するのと、金星(きんせい)に向(む)かう軌道(きどう)に乗(の)せてもらうのは、打ち上(うちあ)げロケットであるH-IIA(エイチ・ツー・エー)にやってもらうことになります。その後(ご)金星(きんせい)に向う間(むかうあいだ)は、基本的(きほんてき)に惰性(だせい)でそのまま飛(と)んでいきます。

―― H-IIA(エイチ・ツー・エー)さん、ありがとう!

 ※金星(きんせい)への旅(たび)の仲間(なかま)たち:「あかつき」打ち上(うちあ)げに相乗(あいの)りする予定(よてい)の人工衛星(じんこうえいせい)は、小型(こがた)ソーラ電力(でんりょく)セイル実証機(じっしょうき)「IKAROS(イカロス)」のほかに、小(ちい)さな衛星(えいせい)が4つ。そのうち3つ(早稲田大(わせだだい)、鹿児島大(かごしまだい)、創価大(そうかだい)が製作(せいさく))は地球(ちきゅう)の近(ちか)くにとどまるが、「UNISEC(ユニセック)」という宇宙好(うちゅうず)きの大学生(だいがくせい)や先生(せんせい)たちのグループがつくる衛星(えいせい)「UNITEC−1(ユニテック・ワン)」は、金星(きんせい)までいっしょに旅(たび)をして、大学発(だいがくはつ)の衛星(えいせい)として世界初(せかいはつ)の試(こころ)みにいろいろ挑戦(ちょうせん)するらしい。

第7話(だいななわ)につづく
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