おといあわせサイトマップJAXAクラブトップ

JAXAクラブ

ふりがなボタン文字サイズおおきくふつうけんさく
宇宙の現場から

(だい)7回(かい):SELENEプロジェクトチーム 米倉克英(よねくらかつひで)

SELENEプロジェクトチーム 米倉克英(よねくらかつひで)

(だい)7回目(かいめ)は、引き続き(ひきつづき)宇宙科学研究本部(うちゅうかがくけんきゅうほんぶ) (ISAS) の米倉克英(よねくらかつひで)さんです。今回(こんかい)のお話(はなし)では、月周回衛星(つきしゅうかいえいせい)「かぐや(SELENE)」の現在(げんざい)の状況(じょうきょう)や、「かぐや」の面白(おもしろ)いところ・すごいところなどに触(ふ)れます。

(1)現時点(げんじてん)の「かぐや」について

現在(げんざい)、「かぐや」が月(つき)の上空約(じょうくうやく)100kmの極(きょく)・円軌道(えんきどう)、「おきな」が上空約(じょうくうやく)100km〜約(やく)2400kmの楕円軌道(だえんきどう)、「おうな」が上空約(じょうくうやく)100km〜約(やく)800kmの楕円軌道(だえんきどう)をそれぞれ周(まわ)りながら、定常的(ていじょうてき)な観測(かんそく)に向(む)けて各機器(かくきき)の機能(きのう)・性能(せいのう)チェックを行(おこな)う初期機能(しょききのう)の確認作業(かくにんさぎょう)を行(おこな)っています。「かぐや」、「おきな」、「おうな」とも健康状態(けんこうじょうたい)はすこぶる良(よ)く、順調(じゅんちょう)に飛行(ひこう)を続(つづ)けています。

また、機能(きのう)・性能(せいのう)チェックの作業(さぎょう)の中(なか)で、「かぐや」に搭載(とうさい)されたハイビジョンカメラ(HDTV)で世界(せかい)で初(はじ)めて月面(げつめん)でのハイビジョン撮影(さつえい)が行(おこな)われ、「世界初(せかいはつ)の地球の出(ちきゅうので)の動画(どうが)」や「地球の入り(ちきゅうのいり)の動画(どうが)」が公開(こうかい)されたり、同(おな)じく「かぐや」に搭載(とうさい)された地形(ちけい)カメラ(TC)で、月(つき)の裏側(うらがわ)や極域(きょくいき)を10mの空間分解能(くうかんぶんかいのう)*で立体視観測(りったいしかんそく)した初画像(はつがぞう)や、マルチバンドイメージャ(MI)で、20mの空間分解能(くうかんぶんかいのう)*での複数(ふくすう)バンドによる世界(せかい)で初(はじ)めての観測画像(かんそくがぞう)が発表(はっぴょう)されつつあります。

さらに、「おきな」においては、世界(せかい)で初(はじ)めて「月(つき)の裏側(うらがわ)の重力場(じゅうりょくば)を直接観測(ちょくせつかんそく)」できることを確認(かくにん)しました。「かぐや」、「おきな」、「おうな」を使(つか)った観測(かんそく)の魅力(みりょく)ある数々(かずかず)の成果(せいか)は、定常運用(ていじょううんよう)になってどんどんでていくものと思(おも)います。

* 空間分解能(くうかんぶんかいのう)・・・**m(メートル)の大(おおきさまで見分(みわ)けることができる能力(のうりょく)。または**m毎(めーとるごと)の範囲(はんい)の大(おお)きさを見分(みわ)けることができる能力(のうりょく)

(2)「かぐや」の面白(おもしろ)いところやすごいところを教(おし)えてください。

「かぐや」の面白(おもしろ)いところは、人工衛星(じんこうえいせい)というのは、外見(がいけん)が金色(きんいろ)に光(ひか)っているものが多(おお)いのですが、「かぐや」の外見(がいけん)は真っ黒(まっくろ)な素材(そざい)で覆(おお)われています。これは、弱(よわ)い電波(でんぱ)や磁場(じば)を観測(かんそく)するために自分(じぶん)が電磁気(でんじき)をおびないようにするためのものなんですね。

センターでのひとコマ

それから、ハイビジョンカメラや、地形(ちけい)カメラ等(など)で撮影(さつえい)・観測(かんそく)された月面(げつめん)の様子等(ようすなど)すごく鮮明(せんめい)なので、自分(じぶん)たちが飛行機(ひこうき)に乗(の)って眼下(がんか)に広(ひろ)がる海(うみ)や島(しま)や富士山(ふじさん)を見(み)た時(とき)と同(おな)じように、自分(じぶん)たち自身(じしん)がまるで月面(げつめん)の上空(じょうくう)を飛(と)んで月(つき)のクレーターや山(やま)を見(み)ているような錯覚(さっかく)を覚(おぼ)えるんです。こんな感動(かんどう)はないですよ。ほんとに。

また、「かぐや」のすごいところは、他(ほか)の人工衛星(じんこうえいせい)や、一般(いっぱん)で使(つか)われてる技術(ぎじゅつ)と同(おな)じ技術(ぎじゅつ)が使(つか)われたりしていることなんです。例(たと)えば月磁場観測装置(つきじばかんそくそうち)(LMAG)などの伸展機構(しんてんきこう)*は、ロンジロン*といって、航空機(こうくうき)の縦通材(じゅうおうざい)*の技術(ぎじゅつ)が活用(かつよう)されたりしています。

また、宇宙開発(うちゅうかいはつ)でこれまでに培(つちか)った技術(ぎじゅつ)はスピンオフ(技術移転(ぎじゅついてん))と言(い)って、私(わたし)たちの生活(せいかつ)の様々(さまざま)な場面(ばめん)で役立(やくだ)てられてます。例(たと)えば缶(かん)チューハイで最近(さいきん)良く見る(よくみる)「ダイヤカット缶(かん)」と呼(よ)ばれる胴(どう)にダイヤの形状(けいじょう)がある缶(かん)なんかはそうなんですね。これからは「かぐや」で培(つちか)った多(おお)くの技術(ぎじゅつ)が同(おな)じように私(わたし)たちの生活(せいかつ)に生(い)きてくるかもしれないと思(おも)うと更(さら)に宇宙(うちゅう)が身近(みぢか)に感(かん)じられます。

さらに「かぐや」のすごいところは、「おきな」や「おうな」の子衛星(こえいせい)を月(つき)に連(つ)れていって、月(つき)の裏側(うらがわ)も含(ふく)めた月全体(つきぜんたい)の重力場(じゅうりょくば)を図(はか)るところです。そんな発想(はっそう)は日本(にほん)ならではですし、「かぐや」、「おきな」、「おうな」が観測(かんそく)する成果(せいか)は、世界(せかい)で初(はじ)めてっていうのがいっぱいなんです。なので、1年後(ねんご)には「かぐやって、こんなすごいことが調(しら)べられたんだよーっ!!」って世界(せかい)に自慢(じまん)できるんじゃぁないでしょうか。

* 伸展機構(しんてんきこう)・・・棒状(ぼうじょう)のもの(マスト)を伸(の)ばしていくしくみ。
* ロンジロン・・・とても丈夫(じょうぶ)なプラスチック。
* 縦通材(じゅうつうざい)・・・飛行機(ひこうき)の前後方向(ぜんごほうこう)に貫通(かんつう)させて、前後方向(ぜんごほうこう)へのズレを防(ふせ)ぐもの。

(3)お忙(いそが)しいお仕事(しごと)の合間(あいま)、どんな気分転換(きぶんてんかん)をされていますか?

(わたし)は千葉県(ちばけん)に家族(かぞく)を置(お)いて単身赴任(たんしんふにん)をしています。なので、休日(きゅうじつ)はやっぱり家族(かぞく)と一緒(いっしょ)に過(す)ごすことが一番(いちばん)の息抜(いきぬ)きです。家族(かぞく)と一緒(いっしょ)にいるとやっぱりホッとしますね。

あとは、週一(しゅういち)ぐらいで練習(れんしゅう)しているソフトテニスですね。昨年(さくねん)10数年振(すうねんぶ)りにまた始(はじ)めたのですが、楽(たの)しくてしょうがありません。もっといっぱい、いっぱい練習(れんしゅう)して来年(らいねん)あたりは大会(たいかい)とかにも出(で)てみたいです。目標(もくひょう)は全日本社会人選手権出場(ぜんにほんしゃかいじんせんしゅけんしゅつじょう)!!(笑(わらい)

(4)読者(どくしゃ)に向(む)けてのメッセージ

「かぐや」、「おきな」、「おうな」は、皆(みな)さんの応援(おうえん)や、様々(さまざま)な方々(かたがた)の協力(きょうりょく)のおかげで、打上(うちあ)げから今(いま)まですこぶる順調(じゅんちょう)に飛行(ひこう)を続(つづ)けることができています。ありがとうございました。「かぐや」、「おきな」、「おうな」からは徐々(じょじょ)に凄(すご)い成果(せいか)が得(え)られています。これからも皆(みな)さんが驚(おどろ)くような魅力(みりょく)ある成果(せいか)を次々(つぎつぎ)と出(だ)していきますので、期待(きたい)していてください!!


<< 前回の(だい)6回(かい)はこちらからご覧(らん)いただけます。

1つもどるこのページの先頭へJAXAクラブトップ